友達の死

親友E_2017年10月? 友達の死

友達の死

親友っていうと、ちょっと小っ恥ずかしい感じがするけど親友っていいもんだよね。

幼なじみ、小学校時代の親友、中学時代・・・学生時代の親友、社会に出てから出来た親友。色々な親友があると思うけど、やっぱり古くからの親友が落ち着くというか気楽というか、特に良いものだと思う。

親友Eに出会ったのは小学校に入ってから。1年生と2年生のときはクラスが違くて、まぁ近所だから知っているけどほとんど遊んだことがない間柄でした。それが3年生で同じクラスになると、超急接近。ほとんど毎日一緒に遊んだ。

遊んでいた内容は、当時の流行ものになるんだけど、ファミコン、ラジコン、そしてお菓子やアニメ、音楽。

ファミコンは自分の家には無くて、Eの家にあったので毎日のようにEの家にいってファミコンしてマンガ読んでと遊んでいた。スターフォースで16連射、初代マリオブラザーズで喧嘩マリオ、アイスクライマーも喧嘩クライマー。ファミコンのキン肉マンでも対戦した、ブロッケンの毒ハメがえげつなかった。とにかくEはゲームが上手くて、ほとんどどのゲームでも勝てなかった。勝てたのは、おそらく彼が手を抜いたであろう時だけ。ラジコンも一緒にやった。僕は機械が好きだったのでかなりのめり込んだが、Eはひととおり買ったけど、それほどハマったわけでは無いようだった。小学校6年生までクラスが一緒でそれは卒業まで続いた。

小学校の時の卒業文集でEは、なぜか僕のことばかり書いていた。Eの書いた作文は、当時、絶対に読んでいるはずだがすっかり忘れていて最近改めて読んでとてもビックリした。S(自分のこと)と一緒にザリガニ釣りした、Sと一緒に帰った、Sとすぐ仲良くなった、Sが泊まりにきた、Sと動物園にいった。半分くらい僕との事が書いてあった。まぁ書いた本人も今となっては覚えてないかも。できることなら今度あったときにどんな気持ちで作文を書いたのか聞いてやろう!

 

中学になるとクラスが違くなり疎遠になるかと見せかけて、変わらず良く一緒に遊んだ。ゲームやってマンガ読んで、Eは音楽にハマった。僕は全く興味がなかったから、Eが興奮しながら何がカッコイイ!どれが凄い!と話すのをただただ聞いた。今考えると不思議なもんで、なんか一緒にいるだけで楽しかったんだろうな〜と思う。良くEの家に泊まりにもいった。中学の時はお互いに悪ふざけが過ぎて、全校の朝礼前に混乱と遅れを生じさせ二人一緒に正座させられたりもした。まー詳しくは書かないがあれは笑った。

高校になるとさすがに毎日一緒に遊ぶということは無くなり、夏休みとか、イベントがあるときとかに一緒に遊んだ。高校のときにEは飲食店でバイトを始めていた。そーいえばEが県外の女の子と付き合って色々トラブル起こしてたのも高校の時。つねにEは自分より一足先に成長していた。僕はバイトもせず、音楽にハマることもなく、県外の女の子との交流なんて「どうしたらそうなるの?」って感じだった。

高校を卒業するとEは、バイトしていた飲食店に就職した。僕はフリーターだった。そして一歩先行くEはクルマを購入。セリカだったなぁ。当然、夜はEのクルマで遊びに出かけた、といっても一緒に遊ぶ頻度はかなり減っていた。

その後、僕は、専門学校、就職、一人暮らしとなり、地元を離れたのでEとはめっきり会わなくなった。会わなくなったのが、携帯電話が普及する前だったので連絡先の交換もできないまま疎遠になり、お互い連絡手段は実家に電話をかけるしかない状態。たまに実家に帰ってきたときに見かけたり、連絡をとったこともあった。Eは実家の家業をついでいた。

それから全く会わなくなり、20年弱くらいか?僕は地元に帰ってきた。地元のコンビニでEを見た。3年くらいの間に3回か4回、見かけたと思うな。「声をかけてもわからないかも」っていうのと「人違いだったらやだな〜」ってのがあって声はかけなかった。

チラッと見た感じだと、Eの仕事柄そうみえてしまうのかもしれないが、彼はとても疲れていそうに見えた。正直「だいぶ老けたな〜」と。でもやっぱり親友「一緒に酒でも呑んで昔話でもしたら楽しいだろうな〜」と思いながらも声はかけられなかった。

因みに、Eのお父さん、お母さん、おばあちゃんにも小さいときに大変お世話になった。Eの家のファミコンはおばあちゃんの部屋にあった。おばあちゃんはファミコンをしている僕らにお菓子をよく出してくれた。おばあちゃんは良く宝くじを買っていて確か50万円だったと思うが高額当選していた。そのお金をもとに家を建て替えたなんて話もあった。そのおばあちゃんもご両親も僕が地元に帰ってきたときには亡くなっていた。

 

Eには弟がいて、その弟の同級生から先日(12月)、こんな話を聞いた。

「Eさんって知ってます?」

「はい」

「亡くなりましたよ。10月頃」

ショックと悲しみ。

なぜ声をかけなかったのか、なぜ実家に電話しなかったのか。

1年に一度くらい、会いたかった。話したかった。親友のはずなのに何も出来なかった。

幸せだったのか、辛かったのか、楽しかったのか、孤独だったのか、

何もわからない。

そんなの親友じゃないよね。ごめん。ありがとう。

ご冥福をお祈りします。

2017年12月10日